集客・セールス

SNS集客に疲れたコーチへ|Xは営業マンではなく「証人」でいい

一人、逆光、静かに立つ
山近克彦
Well-Being coaching
代表 山近 克彦(かつ)
教員歴27年・元教頭
49歳で早期退職し、50歳でコーチング起業

先に、事実を三つ、お見せします。

ひとつ。

起業3年目のある日、5日間の動画教室の募集を始めた初日、4名が申し込んでくださいました。

その4名は全員、2ヶ月前に私のメール講座へ登録してくださっていた方でした。新規の飛び込みは、ゼロです。

ふたつ。

ある時ご契約くださった元小学校教員の方は、3ヶ月間、私のXとブログとホームページを片っ端から読んでから、体験セッションにお見えになりました。

お見えになった時点で、すでに契約を決めていらっしゃった。

みっつ。

この間ずっと、私は一度も、営業をかけていません。

売り込まない人間のところに、なぜ人が来るのか。

この記事は、その仕組みを、私の失敗ごと開示するものです。

結論から言います。

Xは、営業マンじゃない。
証人ぐらいが、ちょうどいい。

ただし、証人はテクニックではありません。

ここから書く順番が、そのまま証人のつくられ方です。

Xを営業マンだと思っていた

最初から分かっていたわけではありません。

むしろ逆でした。

起業して間もない頃、私はXを営業マンだと思っていました。

だから、Xを営業マンとして扱いました。

成績を毎日問い詰める。

どうして数字が伸びないんだ。このやり方で合ってるのか。投稿の型か。時間帯か。文字数か。

申込み通知のメールを開くのが、嫌になりました。

どうせ来てないだろうと思いながら開く。

やっぱり来てない。

そのショックは小さい。

でも、積み重なる。

ある夜、ほとほと疲れ果てて、気づいたんです。

疑っていたのは、数字だけじゃありませんでした。

プラットフォームを疑う。メンターのアドバイスを疑う。書籍を疑い、YouTubeを疑う。

しまいには、来てくれるはずの見込み客まで疑う。

そして最後に、いちばん疑ってはいけないものを疑い始める。

「今やっていること全部、意味がないんじゃないか」と。

私は数字に疲れていたんじゃない。疑うことに、疲れ果てていたんです。

そして、もっと厄介なことにも気づきました。

うまく説明してやろう、うまく売ってやろうと思った瞬間、投稿が営業トークに変わる。

相手を説得しよう、動かそうとする気配は、こちらが思う以上に、すぐ見抜かれます。

実績ゼロなのに月商100万のビジネスモデルを売ろうとしていた、あの頃の卑しい自分を、今でも覚えています。

今なら分かります。

コーチングが売れない本当の理由は、スキルではなく信頼にある。

かつての私は、その順番を完全に取り違えていました。

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SNSは「人がいる場所」

私は、SNSを「場所」だと思っています。

公園みたいなものです。

公園には、いろんな人がいます。

  • 誰かと話したい人もいる
  • 何かを探している人もいる
  • ベンチでぼんやりしている人もいる
  • 子どもと遊んでいる人もいる

そこに突然、「私の商品を買ってください!」と大声で叫ぶ人が現れたら、ちょっと嫌ですよね。

もちろん、公園で商売をしてはいけない、という話ではありません。

ただ、そこには、商売だけを目的に来ている人ばかりではない。SNSも同じだと思っています。

ビジネスにも使えます。実際、私も使っています。情報を得ることもできる。人と出会うこともできる。仕事につながることだってある。

私自身、SNSを通して全国の方とつながることができました。だから、SNSを軽く見ているわけではありません。むしろ、とてもありがたい場所です。

大切だからこそ、
SNSに人生を握られない。

SNSはSNSです。リアルの人生そのものではない。でも、画面の向こうにいるのは、ちゃんと人です。そこは、忘れたくない。

最初は「便所の落書き」でいい

私は、これから発信を始める方に、

「最初は便所の落書きのつもりで、どんどん書いてください」

と伝えることがあります。

  • 価値提供なんて考えなくていい
  • きれいな文章じゃなくていい
  • いいねも、リプも、フォロワーも気にしなくていい
  • 30点でもいい

とにかく、自分の言葉を外に出す。まずは、それに慣れる。

最初は便所の落書きでいい。でも、いつまでも便所の落書きではいけない。

ここは、かなり大事です。「慣れてきたら、自然と価値提供できるようになりますよ」という話でもありません。

むしろ、発信を続けていると、その先に別の問題が出てきます。

退職したのではなく、「失踪」した

これは、私自身の話です。

組織にいるときには、肩書があります。役職があります。所属があります。看板があります。

私は、27年間、教育の世界にいました。

そして、その看板を外した。

制度上は、退職です。でも、感覚としては違った。

退職したというより、失踪した。

そんな感じでした。

昨日まで存在していた自分が、社会から突然いなくなったような感覚。

「元教頭という肩書を外したら、自分は何者なんだろう」

そんな空白がありました。

その後、個人で仕事を始めて、SNSを使うようになる。

投稿する。でも、思ったような反応がない。お客様にも、まだ会っていない。何を書けば届くのかも、よく分からない。

すると、だんだん怖くなってくる。

「自分には価値がないんじゃないか」「誰にも必要とされていないんじゃないか」「そもそも、こんなことをやっていて意味があるのか」

私は、そんな感覚を経験しました。そして、これはSNSを仕事に使う人にとって、決して珍しいことではないと思っています。

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ここが、分岐点なんだと思う

反応がない。いいねが少ない。フォロワーが増えない。申込みが来ない。

もちろん、気になります。私だって数字を見ます。投稿の届き方も考えます。伝え方も改善します。

でも、SNSで反応がないことそのものが、一番の問題ではない。

怖いのは、反応がないことで、自分の価値まで疑い始めることです。

ここから、少しずつ矢印が自分に向いてくる。

「自分には価値がない」「SNSがおかしい」「アルゴリズムがおかしい」「誰も分かってくれない」「こんなに頑張っているのに」「どうして自分だけ」

攻撃的になる人もいる。「大変だ、大変だ」と言い続ける人もいる。「大変だけど頑張っています」と発信し続ける人もいる。

表現は違っても、矢印が自分に向き続けている。

私は、SNSを続けるうえで、ここが大きな分岐点だと思っています。

SNSを、「何かをもらう場所」として見るのか。それとも、「自分も一員として、何かを置いていく場所」として見るのか。

この違いです。

「何かをもらう場所」から「何かを置いていく場所」へ

コンビニのトイレを借りたとき、こんなことを考えることがあります。

「こんなに便利に使わせてもらったんだから、せっかくだし、このコンビニで何か一つ買って帰ろうかな」

お茶でもいい。お菓子でもいい。

別に義務ではありません。トイレを借りたから、何か買わなければいけない。そんな話ではない。

ただ、「使わせてもらったんだから、何か返したい」と思う。

SNSも、似ていると思っています。

これだけたくさんの情報を見ることができる。人とつながることができる。自分の経験を遠くの誰かに届けることもできる。仕事につながることだってある。

むしろ私は、こう思っています。

無料だからこそ、品位が分かる。

お金を払っている場所なら、「お客さんだから」という意識が生まれることもある。でも、無料で使わせてもらっている場所では、その人がどう使うかが、そのまま出る。

自分だけが得をしようとするのか。それとも、「こんなに便利な場所を使わせてもらっているんだから、自分も何か置いていこう」と思えるのか。

私は、ここにその人の品位が出ると思っています。

だったら、「この場所に、自分は何を置いて帰れるだろう」と考える。

私は「ギバー」でいたい

だから私は、SNSでは、ギバー一択だと思っています。

ただし、無理して人に尽くしましょう、という話ではありません。「返さなきゃ」と義務にした瞬間、少し違うものになる。

私が言いたいのは、感謝から自然に与える、ということです。

  • 投稿する人もいる
  • 誰かに返信する人もいる
  • 誰かの投稿をリポストする人もいる
  • 引用して、自分の考えを添える人もいる

みんな同じでなくていい。自分にできる形で、この場所に何かを置いていく。

そして、私がSNSに置いているのは、一次情報・一次体験です。

  • うまくいったこと
  • 失敗したこと
  • 怖かったこと
  • 悩んだこと
  • クライアントとのセッションで感じたこと
  • 自分でやってみて分かったこと

これは、誰かの正解を借りてきたものではありません。私が実際に見て、聞いて、やって、感じたものです。だから、きれいにまとめすぎなくてもいい。私は、これを淡々と置いていく。

「価値提供しなきゃ」と最初から難しく考えなくていい。まず出す。出しながら、「自分は何をこの場所に置けるんだろう」と考えていけばいい。

いいねは、会釈みたいなもの

SNSでは、反応が気になります。

でも、いいねは、ある意味では会釈に近いものだと思っています。

道で知り合いに会って、「こんにちは」と会釈した。それだけで、いちいち会話を始めるわけではない。SNSも同じです。

いいねがなくても、読んでいる人はいる。覚えている人もいる。必要になったときに、あとから見に来る人もいる。

実際、私には、Xやブログ、ホームページなどを3ヶ月読んだうえで体験セッションに来てくださった方がいます。お見えになった時点で、すでに契約を決めてくださっていました。その3ヶ月間、私は一度も営業をかけていません。

これは、SNSの数字だけを見ていたら、見えない世界です。

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思想は固定。技術は改善。

SNSには、アルゴリズムがあります。当然、知っておいた方がいい。

  • 読みやすくする
  • 伝わりやすくする
  • 最初の一文を工夫する
  • 投稿する時間を考える
  • 数字を見て、改善する

こういうことは、やればいい。

でも、アルゴリズムを攻略することが、SNSをやる目的になったら違う。

私は、このくらいでいいと思っています。

思想は固定。技術は改善。
  • 人を数字として見ない
  • 自分を証明するためだけに発信しない
  • 誰かを操作しようとしない
  • 一次体験を置く
  • 人に敬意を持つ

その思想は変えない。そのうえで、伝え方はどんどん改善すればいい。

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営業マンをやめて、「証人」になった

だから私は、Xの役割を変えました。

営業マンではなく、証人。

証人がやることは、たった一つです。

見たこと。体験したこと。感じたこと。考えたこと。

それを、嘘偽りなく語る。うまく話す必要はない。説得もしない。

申込みが来なくて、メールを開くのが嫌になった夜のこと。

実績ゼロで高額商品を売ろうとして、卑しかった自分のこと。

クライアントさんの何気ない一言に、ビクッとした瞬間のこと。

そういう飾らない事実も、置いていく。

飾らない事実を積み上げると、不思議なことが起きます。

信頼が、自然にたまっていく。

冒頭の三つの事実に、戻ります

なぜそう言い切れるのか。

冒頭の三つの事実に、戻ります。

動画教室の初日に申し込んだ4名は、全員2ヶ月前からの読者でした。

私が募集開始と同時に売り込んだわけではない。

2ヶ月間、私の証言を読み続けた方が、募集を待っていたかのように動いてくださった。

3ヶ月間、黙って読んでから体験セッションに来られた元教員の方も、同じです。

その方が、事後アンケートにこう書いてくださっています。

ビジネスを始めた当初、不安だった気持ちが赤裸々に語られていて、現在の私と同じ状況だと思い、本音でしっかり語ってくださる方だなぁと思いました。

刺さったのは、私のノウハウでも、実績自慢でもありませんでした。

不安の証言です。

うまく書けていない、飾りのない、ただの事実。

それが、信頼に値するかどうかの判断材料になっていた。

私が営業をかけたことは、一度もありません。

ただ、証言台に立ち続けただけです。

「証人」は、つくるものではない

「Xは証人として使いましょう」と、テクニックとして覚えてほしいわけではありません。

そうじゃない。

証人は、積み重ねた結果として生まれるものです。

最初は便所の落書きでいい。書く。出す。慣れる。反応がなくて、不安になる。

そこで、自分に矢印を向け続けるのか。

それとも、「この場所に、自分は何を置けるだろう」と、矢印を外に向けるのか。

感謝する。ギバーになる。自分の一次体験を置く。それを淡々と続ける。積み重なる。信頼になる。

そして、その積み重ねが、「この人は、こういう人です」と語ってくれる。

それが、証人です。

その積み重ねが、「信頼」になる

一次体験を一つ置いたからといって、すぐに信頼されるわけではありません。

一つ。また一つ。

失敗も置く。成功も置く。考えていることも置く。仕事への向き合い方も置く。人との関わり方も置く。

そうやって積み重ねていく。

すると、ある日、誰かがあなたの発信をまとめて見る。そのとき初めて、「この人って、こういう人なんだ」が伝わる。

信頼は、「私は信頼できます」と名乗ってつくるものではない。

事実が積み重なった結果、相手の中に勝手にできあがるものです。

自分を、着替えなくていい

私は、SNSを使うようになったからといって、人との向き合い方まで変える必要はないと思っています。

リアルで大切にしてきたことを、そのまま持っていけばいい。

  • 人を数字として見ない
  • 相手を操作しようとしない
  • 自分だけが得をしようとしない
  • 失敗したら、失敗したと書く

SNSだからといって、特別な人格をつくる必要はない。画面の向こうにも、人がいる。それだけは、忘れないようにしたい。

私は、誰かの評価ではなく、本当の自分を生きたくて、自分のビジネスをもちました。

ここで人格を着替えたら、何のために組織を出たのか分からない。

因果応報。愛情をもっているか

結局、ここに戻ってくる気がします。

自分だけ得をしようとしているのか。誰かを数字として見ているのか。この場所から何かを取ろうとしているのか。

それとも、「ここを使わせてもらっている」という感謝があるのか。「自分も何か置いていこう」と思っているのか。

私は、因果応報なんじゃないかな、と思っています。

もちろん、「ギバーになれば必ず売上が増える」という単純な話ではありません。そんなにSNSは甘くない。

でも、どういう気持ちで人と接するか。どういう気持ちで、この場所を使うか。

その積み重ねは、どこかで必ず自分に返ってくる。

だから私は、愛情をもって、ギバーとして、淡々と一次情報を置いていく。これでいいと思っています。

今も、申込みが来ない日はあります。

でも、メールを開く指はもう止まりません。

Xに営業成績を問い詰めるのを、やめたからです。

最後に

SNSで、毎日反応を追いかけなくていい。誰かと比べなくていい。完璧な発信を目指さなくていい。

最初は、便所の落書きでいい。

でも、自分へのハードルは下げても、SNSという場所への敬意まで下げなくていい。

人を数字として見なくていい。自分の価値を、いいねの数で決めなくていい。誰かを動かそうとしなくていい。

ただ、自分が歩いてきた道を。自分が見てきたものを。自分が感じたことを。自分の言葉で置いていく。

誰かに好かれる自分ではなく、自分が好きな自分を。

それを見て、「なんかこの人いいな」と思ってくれる人が、一人でもいたらいい。

そんな人だから、一緒にやれる。

それでいい。

SNSは、営業マンを育てる場所じゃない。自分が、どんな人間なのかを積み重ねていく場所でもある。

売るのは、営業マンの仕事。
信頼を積むのは、証人の仕事。

起業3年で分かったのは、先に必要なのは、いつだって後者の方でした。

だから私は、Xは営業マンではなく、「証人」でいい。そう思っています。

私はこれからも、証言台に立ち続けます。

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 山近 克彦(かつ)
山近 克彦(かつ)

Well-Being Coaching 代表

コーチング起業コーチ

本気で人を育ててきた方の
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