コーチング体験セッションで私が大切にする対話とは|元教頭の哲学

仕事を続けるのか、働き方を変えるのか。これまでの経験を、これからの仕事に活かせるのか。そう考える時期があります。
すぐに答えを出せなくても構いません。体験セッションは、独立を決める場でも、こちらが答えを押しつける場でもありません。
私が大切にしているのは、相手の話を聴き、その方が大切にしていることと、今の状況を一緒に整理することです。
この記事では、私が体験セッションでどのような対話をしているのかをお伝えします。
1.人生で大切にしていることを聴く
セッションの中盤で、私はよく次のように尋ねます。
「あなたの人生で大切にしていることを5つ教えてください」
ビジネスの相談に来たのに、人生のことを聞かれる。そう感じる方もいるかもしれません。
でも、これからの仕事を考えるとき、何を大切にして生きたいのかは、切り離せないと思っています。
私のこれまでの相談では、「家族」「自分らしさ」「感謝」といった言葉が出てくることがありました。長い人生の中で経験したことや、守りたいものが、その言葉に表れているのだと思います。
5つの言葉を聴くと、その方がどのようなことを大切にしてきたのかを考える手がかりになります。私は、言葉の奥にある経験まで分かったつもりにならず、まずはその方自身の説明を聴くようにしています。
2.表面の悩みだけで判断しない
体験セッションでは、次のような相談を受けることがあります。
- 集客の方法が分からない。
- 商品の作り方が分からない。
- どれくらいの収入を目指せるのか分からない。
これらは、相談者が話してくださった大切な困りごとです。ただ、その言葉だけで背景まで決めることはできません。
知識が足りないのかもしれません。時間を確保しにくいのかもしれません。何から始めるかを決められずにいるのかもしれません。複数の事情が重なっていることもあります。
そこで私は、すぐに方法を説明するのではなく、何が起きているのかをもう少し伺います。
表面に見えている問題と、その背景にある事情は、同じとは限りません。
相談の時間で、すべてを解決できるとは考えていません。まず状況を整理し、次に考えることが見えてくれば、その方自身が選べるようになります。
3.話すよりも、まず聴く
起業について相談を受けると、提供する側は知っていることを伝えたくなります。私も、起業を始めた頃はそうでした。
しかし、説明が正しくても、その方が今必要としている内容とは限りません。そこで、質問を重ねる前に、相手の話を途中で遮っていないかを気をつけています。
話を聴くときは、事実と自分の解釈を分けます。「商品を作りたい」と話されたことは事実です。「自信がないから動けない」と感じたとしても、それは私の仮説です。
仮説を伝えるときは、「私の見立てをお伝えしてもよいですか」と確認します。違っていたら、遠慮なく教えていただきたいと思っています。
4.支援が合うかを一緒に確かめる
相手の理想の未来を聴くことは、申込みを促すためだけの時間ではありません。
どのような働き方を望んでいるのか。何を大切にしたいのか。私が提供できる支援が、その方の希望に合っているのか。お互いに確認するための時間です。
私ができることと、できないことがあります。希望に対して、自分の支援が最善ではないと思う場合は、無理に契約を勧めません。
相談を受けた方が、すぐに申し込まず、家族と相談したり、ほかの選択肢を考えたりすることもあります。その時間も、その方が自分の人生を選ぶために必要なものです。
支援の条件や料金は、相談前の記事で確認できるようにしています。内容が分かった上で、自分に合うかを考えてから申し込んでいただきたいからです。
相談前に伝えている内容はこちらの記事に整理しています。

5.相談の後も、答えを決めつけない
体験セッションが終わった後、契約に至らないことがあります。
その理由を、提供者だけで決めることはできません。費用、時間、家族との相談、支援内容との相性など、さまざまな事情が考えられます。
相談を振り返るときも、相手が実際に話したことと、自分が感じたことを分けます。分からないことは、分からないまま残して構いません。
相談後に、次に見直すことを一つ選ぶ方法は、こちらの記事にまとめています。
「分からないまま進ませない」という姿勢は、相談の前、対話の最中、相談の後まで続きます。
大切なことを言葉にし、今の状況を整理する。その先で、自分に合う一歩を選んでいただければと思っています。








