コーチングビジネスのコンセプトは、あなたの強みや経験の棚卸しから

自分の強みや経験を活かして、仕事をつくりたい。
そう考えても、いきなり商品名やサービスの形を決めるのは難しいものです。
私も起業前、何を仕事にするかを考えながら、強みや経験をノートに書き出しました。選択肢が広がりすぎていた私にとって、書き出すことは考える材料を整理する作業になりました。
この記事でいう「コンセプト」は、誰に、どんな変化を支援するかを一文で表したものです。ここではコンセプトを決める前に、自分の経験を仕事の材料として整理する方法を紹介します。
1.最初から答えを決めず、経験を書き出す
「自分には、人に提供できるものがない」と感じると、すぐに正解を探したくなります。
けれど、最初から商品を決める必要はありません。まずは、これまで人と関わり、考え、工夫してきた場面を具体的に書き出します。
役職名や資格名だけでは、その人が何をしてきたのかは分かりません。同じ仕事でも、どんな相手に、どのように関わったかで、経験の中身は変わります。
2.経験を5つの視点で分ける
一度にすべてを書こうとすると手が止まります。次の5つの視点から、一つずつ思い出してください。
- 役割と期間:どんな立場で、どのくらい関わったか
- 繰り返してきた行動:何を考え、何を工夫してきたか
- 相手の変化:関わった相手に、どんな変化があったか
- 確認できる事実:件数、年数、回数など、確かめられる数字はあるか
- 続けられた理由:なぜ、そのことに時間や力を注げたのか
数字が出てこなくても問題ありません。数字を無理に作るのではなく、確認できる事実だけを書きます。
3.一つの経験を、5行で書いてみる
まず、印象に残っている経験を一つ選びます。次の順番で、短く書いてみてください。
- どんな場面だったか
- 誰が、何に困っていたか
- 自分は何をしたか
- その後、何が変わったか
- まだ分からないことは何か
たとえば、誰かの仕事の進め方を一緒に整理した経験なら、「相談を受けた」だけで終わらせません。相手がどこで止まっていたのか、自分はどんな質問をしたのか、相手がその後に何を選べるようになったのかまで書きます。
結果が確認できていない場合は、「役に立ったはず」と決めつけず、「その後の結果は確認できていない」と書いて構いません。
4.強みは、自分の評価だけで決めない
強みというと、自分が得意だと思うことを挙げたくなります。
それだけではなく、次のような経験も手がかりになります。
- 同じことを何度も人から頼まれた
- 自分には当たり前でも、相手には難しそうだった
- 相手の話を聴き、状況を整理する役割を任された
- うまくいかなかった後に、方法を変えて続けた
「大したことではない」と思っていることほど、他の人には簡単でない場合があります。反対に、自分が好きなことだからといって、すぐに仕事になると決めることもできません。
書き出した段階では、強みかどうかを判定しなくて大丈夫です。まずは材料を増やし、あとで共通する行動や相手の変化を見つけます。
5.この段階で、市場や料金まで決めない
経験を書き出す作業と、その経験を誰にどんな支援として届けるかを考える作業は、別の段階です。
この段階で「売れるか」「いくらにするか」まで決めようとすると、書き出した材料をすぐに評価してしまいます。評価を急ぐと、まだ使い道が見えていない経験まで捨ててしまうかもしれません。
まずは、事実と自分の感じたことを分けて残します。その後で、どんな人のどんな困りごとに結びつく可能性があるのかを考えます。
書き出した材料を、相手の課題に結びつける考え方は、次の記事で扱います。

6.30分で、一つの経験を整理する
最初から完璧な棚卸しを目指す必要はありません。30分だけ時間を取り、印象に残っている経験を一つ選びます。
次の5つを書いてみてください。
- どんな場面だったか
- 誰と関わったか
- 自分は何をしたか
- 確認できる変化や事実は何か
- まだ分からないことは何か
書き終えたら、すぐに商品名を決めなくても構いません。経験を一つ具体的に思い出せたことが、次の作業の出発点になります。
人を育ててきた経験を、これからの仕事に活かせるかどうか。まずは、判断する前に、材料を自分の言葉で残してみてください。







